育毛に関心のある男性のほとんどの方が、頭皮をたたいた経験があるという。 頭皮をたたくと、その刺激で毛根が活性化され、抜け毛が無くなり、髪が大丈夫になるという迷信を信じている。
私の友人にもこの説を信じて、毎日毎日ゴンゴンと音がするほど熱心に頭皮をたたき続けていた方がいた。 ご本人は、「髪が多少なりとも形をとどめているのは毎日の精進のおかげ」であると得意げであったが、傍目にはとてもそうは見えなかった。
どう見ても、日に日に薄くなってくる。 きわめて当然な結果である。
表皮と頭蓋骨の間はそれほど厚くはなく、しかもその間には、真皮、皮下脂肪組織、毛細血管、毛母細胞、色素細胞、毛乳頭、毛根、毛包、皮脂穴、皮脂腺、汗穴、汗線、起毛筋、神経など、たくさんの細胞や機能が詰まっている。 そこを毛先の尖ったブラシなどでたたけば、皮膚の中のさまざまな組織が悪影響を受けないはずはない。
ときには毛細血管を傷つけたり、破壊を招いたりして、毛根への栄養補給ができなくなり、かえって脱毛を促進させてしまう。
また、毛先の丸いブラシなどでたたいても、皮膚の中の様々な組織や毛母細胞などをつぶす原因になる。 当然これも、脱毛を促進させてしまう。そのうえ頭皮をたたき続けると、この衝撃から頭部を護るために皮膚のバリヤー機能が反応し、たんたん頭皮は厚くなる。頭皮が厚くなると、うぶ毛が出にくくなる。
さらに、皮膚呼吸も困難になり、辛うじて誕生したうぶ毛も育ちにくくなってしま 頭皮をたたき続けると、脱毛症を促進させるたけでなく、その後の育毛にも悪影響をあたえる。頭皮をたたくのは絶対によくない。